世の中には、いろんなCMSがあります。いちばん有名なのはWordPressでしょう。
様々なCMSを、編集する基本単位が何かということで見ていくと、大きく2つに分けることができます。WordPressやMovableTypeは、ページを編集の基本単位としていて、たとえ1文字の直しでもページ全体の編集画面を呼び出さないといけません。
一方、concrete5などのCMSでは、ページの中には1個もしくは複数のブロックと呼ばれる編集単位があり、1文字直したいときは、その文字の含まれるブロックを編集すればいいことになります。まぁそのブロックを直すためには該当のページを開かないといけないのですけども。ただその編集の範囲は、そのブロック内にしか及びません。
ではPulse CMSはどうなのでしょう?
ここではブログ機能については割愛しますが、基本はブロック単位で編集するタイプだと思います。概念図みたいなものを書いてみました。
緑の部分がページです。Webサイトでの表示の基本単位です。
その中に複数のブロックを設定することができます。concrete5の場合は、編集モードで任意にブロックを追加したり削除できたりしますけど、Pulse CMSの場合は、あらかじめブロックの位置や大きさ(幅)については指定をしておく必要があり、ブロック自体を追加したり編集したりする場合は、ページの指定の中での変更が必要になります。
ページの中で決められたブロックについては、ブロックごとにWYSIWYGエディタの付いた編集画面が用意されます。編集したいときは、管理画面でブロックの編集画面を呼び出し編集することになります。
各ブロック編集画面についているWYSIWYGエディタは以下のような感じです。
詳しくは説明しませんが、他のCMSと同じようなアイコンが並んでいるので、触ってみればすぐにわかると思います。一番左にある <> のアイコンをクリックするとHTMLソース表示に切り替わります。
ちなみにこの編集画面、スマホで表示してみましたが、そのまま使える感じでしたので、出先でちゃちゃっと直すとかいう場合にも便利です。
メリットとデメリット
このようにページ内にブロックを、あらかじめ決めて編集するようにした場合のメリットとデメリットがあるように思います。
ブロック単位で他の要素を見ずに、そこにだけ集中し軽快に編集ができるというのはメリットです。編集画面を開いてみたものの「どこを直していいのかわかんない」ということもないので、エンドユーザでも編集しやすいというのはあると思います。
一方、ページ内に複数のブロックを置いた場合、1ページ平均2ブロックあったとしても、50ページあれば100ブロックあることになります。こうなると、仮にブロックがページ単位にわけてあったとしても、どのブロックを編集すればいいのかを迷ったり間違ったりすることになりかねません。そういう意味では、ページ数の多いサイトには向かないということになるんじゃないかと思います。
また同じページ内に、たくさんのブロックがあった場合、複数のブロックに対して編集を加えたいときは、あっちのブロックを開き、こっちのブロックを開き…など煩雑な作業にならざるを得ません。
なので、やはり1ページには多くても3つか4つのブロックを含む、20ページ未満のサイトが適しているんじゃないかと感覚的には思います。
向いていそうなサイト
上記で20ページ未満のサイトがいいんじゃないかと書きましたが、そういうサイトっていうのは、どういうサイトでしょうか?
思いつくのは、比較的小さな企業や団体のコーポレイトサイト、あとはいわゆるランディングページといわれるような、基本数ページでワンカラムのサイトなんかではないでしょうか?
感覚的にはJimdoやペライチというようなサイトビルダーサービスが得意としている分野のサイトと被っているような気がします。
特にランディングページなどでページ中に書き換える部分があるとかある場合は、そこだけを簡単に書き換えることができるので、便利ではないかと思います。
こういう小規模サイトをPulse CMSで作る場合、高機能なレンタルサーバを借りる必要もないと思うので運用コストを抑えられるというメリットもあります。
普通にHTMLで作ったページをテンプレート化するのも、特定のタグをソース中に入れるなど簡単にできそうなので、デザイナーさんがBootstrapなども使い自由にデザインして、すぐにCMS化できるという点でメリットは大きそうです。
個人的には、予算などとの関係から、制作を受託せずにJimdoやペライチを紹介するにとどまったり、制作費(カスタマイズ費)だけをもらって、Jimdoやペライチにアカウント作って作って渡すというような案件で、このPulse CMSが使えないかなと思っています。