高齢化社会とWordPressコミュニティ

2017年9月9日(土)に、WordBench名古屋は「WordPress 設置後にしておきたい設定」をテーマに勉強会を開催しました。
参加は40名弱。女子高生がお母さんと一緒に参加してくれるという珍しいケースもある一方、60歳以上のシニア世代の参加が約2割ほどありました。
テーマが初級者向けということもあったでしょうが、最近シニア世代の参加が増えていることは間違いありません。
私は今年で55歳になりますが、いつも「今日も勉強会の参加者の最年長は私だなぁ」って思っていたのに、ここ最近そうではないということが非常に多くなりました。
1回だけでなく何回も参加してくださる方や、懇親会にも参加してくださる方もおられます。
これ、単なる偶然ではないと思うので、少しこの件について考えてみたいと思います。

趣味やボランティア団体のサイトづくりにWordPress

こういうシニア世代の方々が、なぜWordPressに触れておられるかというと、全員に聞いたわけではありませんが、ご自分の趣味やNPOを含むボランティア団体や任意団体のサイトを作るのにWordPressをお使いになっているケースが多いように思います。
若い世代はGoogle先生のお世話になりながら、試行錯誤で勉強していくことが多いと思いますが、この年代になるとウェブ検索を駆使してということにはなりづらかったりとか、そもそも「いろんなことが書いてあって何が正しいのかわからないので詳しい人に聞いてみたくて、ここに来た」という方もおられます。なのでアンカンファレンスなどでも積極的に聞いてこられます。とても真面目で真剣な方が多いです。かつて72歳のご婦人コンビが、ノートPC持参で参加されたとき「なんでWordPress触っているんですか?」って聞いたとき、にこやかに「ボケ防止です!」って答えて頂いたことも(笑)。
シニア世代の方が参加されて、他にもシニア世代が参加されていると安心されるのか、シニア層世代で話も弾んでいる感じです。
ちなみにJimdoとかのウェブサイトビルダーサービスの方がWordPressでサイト作るより簡単じゃないかと思うんですが、なぜそうじゃないんだろうとも思いました。
今度、なぜJimdoとかじゃなくWordPressなの?って聞いてみたいと思います。JimdoもWordPressも「簡単にホームページが作成できる」と喧伝されているので、どっちも同じという感覚なんでしょうか?きっとJimdoの方にもシニア世代は、たくさんいるんでしょうね。

シニア世代とのコミュニケーション

WordBench名古屋では、スピーカーが話して参加者がそれを聞くというセッション形式の勉強会だけでなく、勉強会の後半をアンカンファレンスという名前で、参加者同士の懇談・質問・発表の機会を持つことがありますし、そもそもメインのセッションが実際にパソコンを使って学ぶワークショップ形式である場合もあります。
セッション形式ではなく、アンカンファレンスやワークショップ形式だったりした場合、シニア世代の方々とのコミュニケーションには配慮が必要です。
そもそも、HTMLやCSS自体もよくわかっていなかったり、FTPっていうのも説明に苦労したりします。これは年齢に関係なく、超初心者であればそうなのですが、シニア世代は超初心者クラスからのスタートということが少なくありません。
ワークショップなどでは、そういう人をまとめて面倒見るサポートスタッフを当てておかないと全体の進行が滞ってしまう可能性があります。またアンカンファレンスでも、複数のグループにわける場合は、それとなくシニア世代をどちらかのグループにまとめて、年齢の近い私がチューターで入るなどしてきました。
あんまり早口で話さないようにするとか、質問の意味がよくわからない場合は、一度こちらで「こういう意味ですか?」と解釈しなおして問いかけ直すとかは心がけています。
説明しても理解できなかったとき、シニア世代の方は黙ってしまったり、困ったような悲しい顔をされたりするので、ちゃんと理解できたかどうか確認もしないといけません。
納得できるまで教えて差し上げたいとは思うのですが、全体の進行を考えると正直困ってしまうこともあります。
私はシニア世代に近いというか、すでにシニア世代といえなくもないので、まだよいのですが、若い人だとうまくコミュニケーションできなかったり、進行上うまく捌けず困ってしまうこともあると思います。実は、こういうシニア世代や超初心者対応をすることで、サポートやチューターをする側はとても鍛えられるので、積極的にコミュニケーションを取るとよいのですが、なかなかそうは思っても…という局面もあります(苦笑)。

これからシニア世代が増えることは避けられない?

WordBench名古屋が、ほぼ毎月定例で開催されていることや、参加費(会場費)が500円と安いこともあって、これからシニア世代が増えてくることは避けられないと思います。
よく「ここは500円だから年金生活の私でも払える」というようなことを言われます。有料で懇切丁寧に教えてくれるセミナーもありますが、そういうのは受講料が高くて諦めておられるのかもしれません。
WordBench名古屋だけでなく、他の地域でもWordPressとWordBenchの認知が広がれば、必然的にシニア世代の参加が増えてくると思っていいのではないでしょうか?
特にWordPress4.8から、ダッシュボードに「WordPressイベントとニュース」のウイジェットが表示されるようになり、新規参加者が増えるようになりました。
WordPressを使うシニア世代も確実に、このウイジェットを見ますので、参加してくると思います。
もともとWordPressのコミュニティは、年齢による差別はしないということが大前提ですので、これからは若い人だけでなくシニア世代も参加するということを前提に運営を考えていかないといけないのではないかと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください