サイボウズLiveが終了するというアナウンスを受けて、サイボウズLive終了後の対応を考えなくてはいけなくなりました。
すでに200万を超えるユーザを持つサイボウズLiveが終了するのに合わせて、乗り換えツールを提供するとアナウンスしたサービスや、サイボウズLiveユーザは1年間有料プランをお安く使えるようにするキャンペーンを張っているグループウェアサービスもあります。またオープンソースで配布されていたグループウェアのプログラムが、配布を終了すると宣言したりしてますが、これはサイボウズLiveユーザが代替システムとして、オープンソース版を採用する可能性があり、サポートやメンテナンスの負荷が飛躍的に増大するのを避けるために予防線を張ったと見られています。
いずれにしても200万を超えるユーザ数を持つサービスが終了する影響は大きいと言わざるを得ません。
目次
サイボウズLiveが他のグループウェアと違う点
サイボウズLiveが終了するのは2019年4月15日(月)で少し先なのですが、代替システムを探し始めたところ、サイボウズLiveが他のグループウェアシステムとは、ちょっと基本的な仕組みからして違うということに改めて気付かされます。
例えば完全永久無料を謳うグループウェアサービスに「R-GROUP(https://jp.r-group.com/)」というのがあります。
これが仕組み的にサイボウズLiveの代替になれば、それで問題は解決!…のような気がしますが、そうはなりませんでした。
一般的なグループウェアとサイボウズLiveは、そもそもの仕組みが違うのです。
機能の下にメンバーがいる一般的なグループウェア
一般的なグループウェアは、掲示板とかスケジュールとかファイル共有などの「機能」がまずあり、そこに参加するメンバーが誰なのかという形になります。
もちろんメンバーごとに閲覧できるものを制限したりできますが、基本的にそのグループウェアに所属するメンバーは誰なのかはわかるし、アクセス制限を間違えてしまえば、見せてはいけないものが見てはいけない人に見られたりします。
これはグループウェアを使う人が、基本的に同じ会社や団体に属しているという「内部的なシステム」であることを想定しているからにほかなりません。
ひとつのビルの中に、いくつか部屋があって、各部屋ごともしくは部屋の中で仕切られたパーテションごとに出入りできる人が決められてはいますが、廊下など共用スペースでは建物にいる人物とは顔をあわせることができる仕様になっています。
グループの下に機能があるサイボウズLive
一方、サイボウズLiveは「機能」の前に、まず「グループ」を作る必要があります。
そのグループごとに掲示板やスケジュール、ファイル共有などの「機能」が割り当てられます。そしてサイボウズLiveでは掲示板のスレッドやファイルの閲覧制限を設定することはできません。
異なるグループに所属しているメンバーは、自分が属していないグループに誰がいるのかを知ることすらできませんし、自分の属しているグループ以外に、どういうグループがあるのかも知ることはできません。これはサイボウズLiveが「企業外で使うセカンドグループウェアというコンセプト」にもとづいているからにほかなりません。サイボウズ社にとっては企業・団体内で使う「内部的なグループウェア」は「サイボウズOffice」があるわけで、これを補完するような位置づけにサイボウズLiveがあったわけです。このとき自社が取引しているA社とB社の間に異なるグループを設定した場合、自社とA社のグループから自社とB社のグループの存在が見えてはまずいこともあるし、ましてやどんなやりとりをしているのかを間違っても見せるわけにはいきません。なのでグループを間違って投稿しなければ、所属しているグループ以外の人には情報が見えないような仕様になっているわけです。閲覧権限の問題で言えば、閲覧を制限したい場合は閲覧可能な人だけで別グループを作るなどすれば対応可能です。
現段階での移行プラン
自分の会社では、すでにサイボウズOfficeが稼働しており定着しているので、社内的には何も変更する必要はありません。
ただし、いくつかのお客様との情報のやりとりにサイボウズLiveを使っている関係から、営業さんからも「サイボウズLiveがなくなったときの代替案が決まったら教えて欲しい」と言われています。
一般的なグループウェアでは仕組み的にサイボウズLiveをカバーできないということがわかってきたので、違う方法を考えないといけません。
プロジェクト管理ツールとしてサイボウズLiveを使っていた人は、Backlogとかのプロジェクト管理ツールに移行するのもありかもですが、うちの場合はもっと緩い感じでの情報共有に使っていましたので、きっちりタスクを設定しないと機能しないプロジェクト管理ツールより、よりコミュニケーションに力点を置いたチャットツールの方が相性がよさそうです。
実際、うちの会社では、サイボウズLiveでは掲示板とファイル共有が主に使われていて、それ以外はあまり使われていないようですので、それで十分なような気もします。ただし作法や画面のイメージは違ってくるのでサイボウズLiveのときのように説明しないでも使えるというわけにはいかないかもですが、LINEとかをプライベートで使っている人も多いと思うので案外スムーズにいくかもしれません。
以下、基本的に無料で使うことを前提に、サイボウスLiveの移行先として考えられるものを調べてみました。
掲示板数個のライトユーザはChatWorkで
どういう仕様になるかはわかりませんが、いちはやくChatWorkはサイボウズLiveからの乗り換えツールを提供すると宣言しました。
■「サイボウズLive」からチャットワークへの移行に関するお知らせ
http://blog-ja.chatwork.com/2017/10/live.html
サイボウズLive側はCSVなどでデータをエクスポートすることを表明していますので、このデータを読み込んでChatWorkに取り込むことになると思います。
サイボウズLiveでは、掲示板には複数のトピックが作られますが、ChatWorkではテーマチャットは一つのスレッドしかできないので、トピックごとにテーマチャットが作られるのかもしれません。しかも無料版ではグループチャットは14個までという制限がありますので、これを超える場合は有料版にしないといけません(400円/月~)。
複数のグループチャットはカテゴリー分けができるので、ひとつのグループに複数のグループチャットを作ってもカテゴリー別に表示させることで対応可能かもしれません。
ただし参加メンバーを、すべてのグループチャットにメンバー追加をしないといけないので、少々面倒なのと、追加漏れなどがあるとやっかいです。
もともとサイボウスLive上のグループ内の掲示板のトピックの数が少ないような運用だった場合は、ChatWorkで対応可能かもしれません。
あとメッセージにファイルを添付はできますが、サイボウスLiveでいう「ファイル共有」的にまとめて一箇所にファイルを保管しておく機能はないので、グループ全体でファイル共有を行っていた場合は、別のサービスと連携させる必要があるかもしれません。無料版の場合のストレージ容量は5GBです。
●ChatWork
https://go.chatwork.com/ja/
●ChatWorkのプランと料金
https://go.chatwork.com/ja/price/?click=header-navi
ヘビーユーザはSlack日本語版で
サイボウズLive上で複数の掲示板トピックを作って運用することが必須だったようなユーザーはSlackに移行するのがいいかなと思っています。
Slackは年内に日本語版がリリースされるようなので、それを実際に見てみて判断はしようと思っています。
Slackの場合は、まずワークスペースに所属し、その下にチャンネルができます。ちょうどサイボウズLiveのグループと掲示板のトピックの関係に対応させることもできると思うので、こちらの方がサイボウズLiveをガンガン使っていたユーザにはいいかもしれません。サイボウズLiveの掲示板のように気軽にSlackのチャンネルは作ってしまわない方がいいかもしれません。逆にメンバーの一部しか見られないチャンネルもSlackなら作ることも可能ですので、そういう運用も可能になります。
ただしフリープランの場合、メッセージ数が1万件という上限があるため、過去のメッセージを見られなくなる可能性もあります。
メッセージにファイルを添付でき、チャンネルごとに添付されたファイルの一覧を見たり、自分がアップしたもの、メンバーごといアップしたものを見たりファイルタイムに寄って検索できたりするようです。ストレージ容量は5GBです。
●Slack
https://slack.com/
●Slackヘルプ(日本語)
https://get.slack.help/hc/ja
●フリープランの制約事項
https://goo.gl/WefJJT
グループウェア的に使うならZoho Connectがよいかも
Zoho ConnectはZohoが提供するたくさんのアプリケーションのひとつです。
登録画面は英語ですけど、ログインすれば日本語のサービスメニューになります。
機能的には下記のようなものがあります。( )内は、サイボウズLiveの機能で相当するものです。
- フィード(タイムライン)
- グループ(掲示板?チャット?)
- フォーラム(掲示板)
- マニュアル
- タスク(ToDoリスト)
- 予定(イベント)
- ファイル(ファイル共有)
- カスタムアプリ
グループとフォーラムは、ともに掲示板的な機能なのですが、グループはメンバーを限定して運用する掲示板で、特定のグループは登録メンバー以外は非公開にすることも可能です。
フォーラムは逆にメンバーは固定せずにテーマを決めた掲示板になります。
フリープランの場合は、グループとフォーラムが、それぞれ15個までという制限があります。
フィード機能を全員に伝えるメッセージとして上手に使えば、その制約内でも十分かもしれません。
ファイル機能は、ファイルをアップロードできるだけでなく、Googleドライブや他のファイル共有サービス上のファイルへのリンクも登録できますし、なんといってもZoho Connect内にGoogleドライブのようなドキュメントを作成したり編集したりする機能があるのは便利です。
ローカルにあるExcelファイルをアップロードすれば、Zoho-Connect内で編集可能なドキュメントになります。
カスタムアプリは、Googleドライブのフォーム機能のようなものだと思えばいいかと思います。
マニュアルはグループごとに作成することができマークダウン記法が使えます。
仮にサイボウズLiveがなくならない場合でも、乗り換えてもいいような感じです。メンバー数に制限はないので、グループ数とフォーラム数が15でもいいのであれば有力な乗り換え候補だと思います。
ストレージ容量は10GBです。
●Zoho Connect
https://www.zoho.com/connect/
●プランと制約事項
https://www.zoho.com/connect/pricing.html
まだサイボウズLive終了までには少し時間があるので、じっくり選んでいきたいとは思います。
ただ願わくば、このサイボウズLiveロスの影響・反響の大きさを鑑みて、サイボウズさんがサイボウズLiveの終了を思いなおしてもらえるといいんですが…
Zoho Connect を家族で1ヶ月程試しました。
2段層での枝分け、ユーザ別表示等、十分な機能です。
2点、問題がありました。
①投稿の順位変更ができない
②モバイルアプリからの掲示板の更新できない
これらには非常に困ってしまい、残念ながら候補から外れました。
現在、以上を満足するMicrosoft OneNoteを使っています。
スケジュール管理は、Google Calenderで行っています。
現在は、スマホから掲示板投稿できます。
2週間位試用していると、ところどころ改善されていく様を見ることができます。
小規模なグループや団体なら無料版でも十分な機能がありますし、今後の改善に期待。
まずは、ローカライズを頑張っていただきたいです。