2017年の12月から計20回以上、WordPressの初心者向け相談会である「WordPressビギナーズ名古屋」というのが開催されています。この間でいうと延べ170人以上の相談に応じてきました。相談に応じるコーチはすべてボランティアです。
▶WordPressビギナーズ名古屋:https://wpbnagoya.wordpress.com/
▶WordPressビギナーズ名古屋connpssページ:https://wpbn.connpass.com/
私は開始当初から相談に乗るコーチの1人として協力をしてきましたが、21回目からは幹事を引き継ぐことになりました。この間、何人もの相談に応じてきて感じていること、思うことがあるのでまとめておきたいと思います。
●100%GPLでないテーマを使っている人が多い
相談に来られる方には、実際のサイトを見せてもらえるように普段お使いのPCを持ってきてもらうようにしていますが、使用されているテーマを見せてもらうと100%GPLに準拠していないテーマをお使いの方が結構います。そうでない場合はLightningやBizVectorが多いように思います。
WordPressビギナーズ名古屋はWordPressの公式コミュニティであるAichi WordPress Nagoyaには属さない形で運用しています(それはなぜかというのは長くなるので割愛します)。ですがWordPressコミュニティの100%GPLの考え方や立場については支持しており、100%GPLでないテーマやプラグインについては「相談に応じられないテーマやプラグイン」という呼び方で100%GPLなテーマやプラグインとは区別するようにしています。「なんでこんなに有料の100%GPL対応でないテーマを使う人が多いんだろう」と思ったのですが、相談者の方に聞いてみると、たいていは「WordPress テーマ」などのキーワードでWeb検索して表示されたものの中から機能や値段を見て採用を決めているということが共通しているように思いました。大事なことはネットで「WordPress テーマ」で検索したときに、100%GPLに対応したテーマに関するページが上位を占めるようにしていくことなんじゃないかと思いました。
WordPressの管理画面から公式ディレクトリにアクセスしてテーマを見つけても、どういう特徴がありどういう良さがあるのかという情報は多く掲載されていません。なので、100%GPLのテーマを作っている人、使っている人、支持する人たちが積極的に情報を発信し、100%GPLじゃないテーマの関する情報を圧倒していくしかないのかなと思います。
●「相談に応じられないテーマやプラグイン」について説明
実際に100%GPLでないテーマを使っている方がいる以上、そうしたテーマ固有の機能や設定をサポートしてしまうことはしたくありません。購入されたところに質問をされるなり相談をされることが筋だと考えるわけですが、だからといって門前払いをすることもしたくありません。
そこで、とりあえず相談会の前に「相談に応じられないテーマやプラグインについて」という説明をスライドを使って行うようにしました。わけもよくわからず100%GPLでないテーマを選んでしまった方たち対象なので、スライドの中では「GPL」という言葉を使わないように工夫はしました。まだ1回しかやってませんが、参加者の方がどう感じたのかなど、今後は掴んでいきたいと思います。
●どこまで相談に応じるのかが悩ましい
WordPressは、テーマなどのカスタマイズについてカスタマイザーでカスタマイズできるよう機能を強化してきましたし、テーマを作成する人たちもそこに力を入れてきていると思います。なので、HTMLやCSS、PHPなどの知識がなくても、ある程度のカスタマイズはできるようになってきました。そしてGutenberg…。いよいよHTMLやCSSの知識がなくともコンテンツの作成ができるようになってきました。
悩ましいケースのひとつがウイジェットです。ウイジェットはウイジェットエリアそのものも含めてテーマ作者側で設定してあるケースが多いのですが、そのウイジェットを使って機能を足したりしていくことを教えることは、そのテーマを使えるようにするということになります。これは非推奨のテーマを「告知・宣伝」することになるのかどうか…。同意が得られればその場でテーマを変更させてもらうこともしますが、そういうわけには行かない場合もあって…。一般的なWordPressの操作や設定に止めようと思っても、その境界線がはっきりしません。どう考えるのが適切でしょうか?